ドライアイスとは?
ドライアイスは、ヘルスケアに不可欠な冷却材で、輸送、保管中に医療用検体や医療品を確実に保持するためのものです。
180年以上前に発見され、昇華という特別の特性を有しています。つまり、固体から気体に直接変化します。
ドライアイスは固体の二酸化炭素で、正しく扱わないと危険な場合があります。極低温により凍傷が起こり、ガス蒸気は適切に排出されないと爆発を引き起こす可能性がある。ただし、適切な状況で正しく取り扱うとは、ドライアイスは貨物の冷却剤として非常に効果的です。
ドライアイスをいつ使用するか
ドライアイスは摂氏マイナス78.5度(華氏マイナス109.3度)と極めて低温なため、冷凍食品や取扱の難しい医療品、一部の生物薬剤など、非常に低温を絶対に保つ必要がありかつそうした温度に耐えうる製品に最適です。
それでも、冷凍保存の必要のない一部の製品では、冷えすぎの可能性があります。ドライアイスが出荷する製品の品質に悪影響を及ぼさないことを確認してください。
UPS Healthcare®のヨーロッパのコールドチェーン梱包担当、Ester Van den Bosscheは、オプションについて理解することを推奨しています。一部のヘルスケア製品は極低温に対して特に敏感であり、この場合ドライアイスを含む貨物の出荷には最善の選択とはならない、と彼女は説明しています。
「実際には製品によりますが、ドライアイスがお客様の出荷に適切な選択を判断するために話し合うことでUPSがお役に立てます。」とVan den Bosscheは述べています。
製品がドライアイスを使用して出荷できると判断したら、ドライアイスの注意と規制について理解することが重要です。
ドライアイスの調達
ドライアイスは、現地のドライアイス供給業者から入手できます。ペレットや大きなブロック、スライス、小さな塊など、ニーズに合わせてさまざまな形と大きさがあります。
ドライアイスの価格はCOVID-19以降変動していますが、引き続き低コストの冷却材となっています。購入量が多いほど、1kg当たりの価格は安くなります。
ドライアイスの取り扱い
極低温であり身体に危害を及ぼす可能性があるため、ドライアイスの取り扱いには十分な注意が必要です。取扱担当者は IATA のトレーニングを受け、目を保護するためのゴーグル、手を保護するための特別な手袋、ドライアイスが服の中に飛び散らないようにするためのビブスを着用します。
ドライアイスに触れる機会のあるサプライチェーンの担当者は、適切なレベルのトレーニングを受講しなければなりません。
ドライアイスの保管
ドライアイスを保管する時は、特別な容器を使用しなければなりません。昇華の課程で内圧が非常に高くなり、容器が破裂または爆発する可能性があるため、密封式の容器は使用できません。ガラスは割れるため、ガラス製の容器も使用できません。
ドライアイスの使用量の計算
概算で、24時間で2.2~4.5kgのドライアイスが昇華して気体になると想定してください。ただし、正確な昇華率は、使用する容器の発泡スチロール(EPS)断熱材の密度により異なります。密度が低いほど、昇華が早くなります。出荷の計算ではこの点を考慮してください。
一方、通常使用する発泡スチロール梱包が不要な、その他の環境に優しい種類の梱包も利用できます。ただし、この場合でも梱包の断熱材の密度により昇華率は異なることを念頭に置いてください。梱包チームは、100%リサイクル可能なオプションを提案しています。
UPS Healthcare®コールドチェーン梱包を使用する場合、お客様の製品や温度、持続時間のニーズに合わせた最適なオプションをご利用いただけます。このオプションは、温度検証試験により性能水準を確認している、推奨された有資格のヘルスケア梱包サプライヤーが提供しています。
「当社は、荷送人が適切なソリューションを選択し、梱包と輸送時間に基づき必要なドライアイスの量を計算する際にお役に立てます」とVan den Bosscheは述べています。「また、遅延に備えて24時間分のドライアイスを追加することも提案しています。お客様は、荷物が遅延する可能性がある際にドライアイスを追加するためUPS® Premierサービスまたは回復オプションを選択できます。」
ドライアイスの充填
梱包の準備が整ったら、内容物が最適な温度であることを確認してください。断熱用のEPSフォーム容器または環境に優しいドライアイス梱包を使用し、丈夫な段ボールの箱の中に入れてください。
内側の箱をドライアイスの中に挿入するなど、内容物がドライアイスに触れないようにしてください。
ドライアイスの唯一の目的は、貨物を低温に保つことです。ドライアイスに触れることは望ましいことではなく、梱包システムの冷却という本来の目的を果たすようにしてください。
保管容器については、ドライアイスのボックスを密封しないでください。蒸発気体の逃げ場がないと、梱包が爆発する可能性があります。梱包用テープで軽く巻いてください。
ドライアイスのラベル貼付
米国でのドライアイスの航空輸送については、診断/治療目的、非医療、非危険物を問わず、マーキングとラベル貼付要件に関する冷却剤と保冷剤 | UPS - 米国を参照してください。49 CFR 173.217にある規制を遵守する必要があります。
国外にドライアイスを出荷する場合、IATA規則が適用されます。UPSとの署名された国際特別商品(ISC)契約が必要で、IATA規制のパッケージ梱包上の注意事項954およびUPSの輸送要件を遵守する必要があります。
ドライアイスを含む貨物の出荷を支援
ドライアイスを含む貨物の出荷は複雑なように思えますが、UPSがお客様に必要な情報を提供し、サプライチェーンでのドライアイス出荷のためのカスタムのソリューションも提供します。たとえば、コールドチェーンソリューションが必要なヘルスケア荷送人向けには、さまざまなUPS Healthcare™ コールドチェーン梱包オプションがあります。お客様は特別な梱包材を購入できるほか、自社の製品、配送方法、輸送時間に最適なソリューションに関するアドバイスを受けることもできます。
ドライアイスを含む貨物の出荷では、適切な出荷方法と時間で到着することが不可欠です。
「リスク軽減のため、コールドチェーン梱包チームは常に輸送時間に余裕を見ています。特に、ヘルスケア製品の海外への出荷については、税関での留め置きの可能性があるため、そう言えます」とVan den Bosscheは述べています。
綿密な準備をすることで、誰かが箱を開けてドライアイスを入れる必要性を最小限に抑え、最終到着まで未開封の状態を目指します。
ただし、UPS® Premierサービスでは、出荷で輸送中にドライアイスの補充が必要な場合にも対応できます。
ドライアイスは引き続き、規制に準拠して適切に使用すれば、冷凍状態を保つ必要がある品目を安全で効果的に出荷する方法です。ドライアイスを含む貨物の出荷が必要な場合は、いつでも、UPS Healthcareにお任せください。
今すぐ発送しましょう。専門家に聞く。
ドライアイスを含む出荷の追加情報が必要な場合は、UPS危険物サポートセンター(1-800-554-9964)までお電話ください。