課題
米国でレイバーデーを控えた週末といえば、一年で最も旅行者が多い時期のひとつです。そのため、AOGが発生すると大問題になります。2014年、ホノルル国際空港でJALの787ドリームライナーがジェットブリッジに接触し、左エンジンカウルを損傷しました。機体は飛行不能となり、修理のために日本に戻ることもできない状態でした。古い機体であれば、すぐに修理できたかもしれません。しかし、最新の飛行機、しかも重さが2トン近くの部品のスペアパーツを見つけるのは、特に連休の週末では簡単に行きません。
ソリューション
刻一刻と時間が迫る中、約1.6トンのカウルを陸路と海路で4200kmを超える距離を輸送するという、ロジスティクスの難問を解決してほしいとJALが頼んだ相手はUPSでした。幸いなことに、UPSにとってこのような状況は初めてのことではありませんでした。UPSのロジスティクス専門家が交換用のカウルを配送するという途方もなく細心の注意が必要な作業に取り組んでいる間、JALの重役にほぼ1時間ごとに最新情報を伝えました。まず、チュラビスタからサンディエゴ国際空港まで、フラットベッドトラックに積載した新しいカウルの地上輸送を手配しました。約26kmの輸送には、特別な許可と誘導車が必要でした。サンディエゴで、カウルはチャーターしたボーイング747に積み込まれました。ノーズローディング機能を備えている747機しか、この巨大な部品を積載できないからです。ただちにホノルルに向けて出発し、機体は修理され、帰国の途に向けて出発しました。UPSの最後の作業として、損傷したカウルをアラバマ州の工場で修理するため、アメリカ本土への海上輸送を手配しました。
結果
ホノルル空港は、着陸停止状態のJAL機の撤去に7日間の猶予を与えていました。地上輸送、航空機チャーター、海上輸送というUPSの総合型ネットワークを利用して、新しいカウルは余裕をもってハワイに配送し、破損した部品は修理のために工場に送り返すことができました。その迅速で巧みな対応に対し、JALから感謝されました。日本航空エンジニアリング、ロジスティクスマネジメントスタッフマネージャーの緒方隆志氏は、「UPSチームのサポートがなければ、この作業を成功に導くことはできなかったと思います」と述べています。