貨物輸送および物流のニュースと市場の最新情報

航空

• Air Canada（エア・カナダ）は、乗員組合連絡会議（ALPA）と新たな協約に暫定合意したと発表した。同航空会社の5,200名以上のパイロットを代表するALPAとの新たな4年協約の詳細は、来月の批准投票まで公開されないが、承認される見込みである。この投票により15か月に及ぶ交渉が終了し、Air Canadaは通常通りの運航を続けることになる。
• 米国エネルギー省の発表によると、ディーゼルの全米平均価格は10週連続で2.9セント下落し、1ガロン当たり3.526ドルとなり、7月8日以来累計で33.9セントの下落となった。この燃料費の下落はトラック運送会社のコスト削減に寄与し、営業利益率が改善された。8月にトラック運送会社が行った輸送運賃引き下げも燃料費の下落に合わせたものである。

海上

• 10月1日の契約期限が近づく中、港湾雇用主側は国際港湾労働者協会（ILA）に交渉に復帰するよう呼びかけている。ILA側からは、6年間の新協約期間中の賃金を77％引き上げる要求も含まれている。雇用主からのオファーはまだ公表されていない。ILAは米国東海岸とメキシコ湾岸の港湾労働者45,000人を代表する組合であり、規模にかかわらずいかなる労働争議もグローバルサプライチェーン全体に影響を及ぼす可能性がある。
• 東海岸の港湾に影響するストライキの脅威と、運賃に対する圧力が続いていることから、アジア太平洋地域（APAC）を発地とする貨物の仕向地が東海岸から西海岸の港湾へとシフトしている。東海岸およびメキシコ湾岸を仕向港とするコンテナの運賃は今週になって2,300ドル下落し、この時期としては予想以上の大幅な下落となった。西海岸のハブ港湾への運賃は、非常に緩やかなペースで下落している。

航空

• 10月27日、LATAM Cargoは来月より南米発ブリュッセル空港行きのフライトを週4便から12便に増便すると発表した。主にエクアドルから花などの生鮮品を運び、復路はブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、チリに送られる医薬品や自動車製品を搭載している。
• メキシコフォーワーダーズ協会（Amacarga）によると、メキシコの航空輸送運賃が20％上昇した理由は、航空会社が特に夏季休暇の復路便で乗客と預入手荷物を優先し、貨物の積載能力が不足したためである。

海上

• アマゾン川の干ばつの影響で、海上輸送コストが最大195％に跳ね上がっている。

航空

• 世界中の運送業者は、利益率の高いAPACからの輸出取引レーンの輸送量を確保するため、貨物輸送機の積載能力をシフトしている。APACのハブ空港から欧米の仕向地への輸送需要が衰えず、これらの路線の運賃は上昇を続けている。2024年末以降まで長期化する繁忙期を目の前にして、各運送業者は市況に有利に立ち回るため、ラテンアメリカ、インド、アフリカからこの貿易レーンに機材を移動している。

海上

• 台風13号（バビンカ）は9月16日月曜日の現地時間午前7時30分頃に上海に上陸し、過去数十年で最強の暴風雨で、取扱量世界一の港を閉鎖に追いやり、貨物輸送の遅延と混乱を招いた。航空便の欠航、鉄道の運休をもたらし、同地域の物流ネットワークは多大な障害に直面している。
• 中央・東欧では週末から降り始めた大雨により、各地で橋や道路、鉄道の一部区間が閉鎖され、貨物輸送に遅れが生じている。少なくとも6か国が交通網の一部を閉鎖し、来週まで閉鎖が解除されない箇所が出ることが予想される。 

航空

• Hong Kong Air Cargo（HKAC）は、香港とハンガリーのブダペストを結ぶ週2便の新路線を就航し、エアバスA330-200型貨物機を導入した。HKACの国際的な輸送網を強化し、特に高まるeコマース需要に対応して同地域間の貿易を強化することを目的としている。同社は、昨年はリヤド、リエージュ、ロンドン、ミラノへの路線を追加して欧州全域でサービスを拡大しており、2027年までに保有機数を15機に増やす計画である。

海上

• 9月16日、環境に優しいメタノール燃料船「Eco Umande」がリトアニアのクライペダ港に初めて寄港し、持続可能な海運における重要な一歩を踏み出した。1,260TEUを積載する同船は同港に2週間おきに寄港し、ロッテルダム、アントワープ、クライペダ、リガを結ぶ航路を運航する予定である。リトアニアのKlaipėda Container Terminal（クライペダ・コンテナ・ターミナル）のCEOであるヴァイドタス・シレイカ氏は、このターミナルは環境に優しい船舶に対応していると強調した。今年初め、クライペダと5つの欧州の港湾は、スカンジナビアとバルト海でグリーン輸送回廊を推進し、海洋部門の脱炭素化を図る協定に調印した。

陸上輸送

• アントワープとゼーブルージュからスペインを結ぶ鉄道輸送が拡大され、カタルーニャ地方への運行頻度が増加し、マドリードへの新たなリンクが確立された。スイスの鉄道会社であるHupacは、パートナーのLineas（欧州最大の貨物鉄道輸送業者）と協力して、アントワープとカタルーニャを結ぶ貨物便を週10便に増強する。これはペルピニャンとバルセロナへの輸送をカバーする。さらに、Kombiverkehr（ドイツの貨物鉄道輸送業者）がアントワープとマドリードを結ぶ新しい直通サービスを導入し、コンテナや危険物を輸送する便を週2便運行する。

航空

• Xeneta（貨物輸送の市場分析プラットフォームを運営する企業）によると、8月の世界の航空貨物スポット・レートは前年同月比で24％上昇し、平均運賃はキロ当たり2.68米ドルに達した。この上昇は、紅海危機による海上貨物から航空貨物への移行と、eコマース需要の増大によるものである。
• Lufthansa Cargoは、18機目となるB777F型機の導入に伴い、冬期スケジュールの一環としてインド行き貨物便の増便を発表した。ムンバイ（BOM）行きの貨物便が1便増加し、チェンナイ（MAA）行きはハイデラバード（HYD）またはムンバイ（BOM）との組み合わせで週2便の運航となる。
• Menzies Aviation（英国を拠点とする航空貨物取扱業者）は拡大戦略の一環として、モザンビークのマプト国際空港に新たな貨物取扱施設を開設した。モザンビークにおける貨物取扱能力の拡大により、Menziesは貨物量の増加に対応できる体制を整えており、東アフリカの航空貨物部門に利益をもたらしている。 

海上

• 中国がコンテナを大量に買い集めているため、インドはコンテナ不足に陥っている。米国の新関税が適用される前に、中国からリチウムイオン電池、太陽電池、電気自動車、鉄鋼、医療品などの商品を送ることを画策しているためである。コンテナの供給が限られているため、インドの輸出業者は苦戦を強いられている。
• アブダビを拠点とするAD Portsと上海振華重工有限公司（Shanghai Zhenhua Heavy Industries Co. Ltd（ZPMC）は、アフリカの港湾ターミナル事業の強化・発展を目的として1億1,400万ドル相当の契約を締結した。この契約の一環として、ZPMCはAD Portsに6基のハイテク最新式STSクレーンを提供する。コンゴ共和国のポワント・ノワール港とアンゴラのノアトゥム港の港湾業務の効率化を図るために使用される。
• サウジ港湾局（Mawani）が2024年8月に取り扱った貨物量は3,050万トンで、総貨物トン数は前年比26.57％の増加となった。この伸びは、サウジアラビアの国家運輸・物流戦略の一環である、グローバルロジスティクスハブになるという決意を改めて認識させるものである。

陸上輸送

• アラブ首長国連邦（UAE）のEtihad Railは、ヨルダンで23億米ドル規模の戦略的プロジェクトを取り仕切る。同国の鉱業と運輸部門の改善・強化に焦点を当てたこのプロジェクトにおいて、Etihad Railはヨルダン運輸省との合意により、360kmの鉄道網の建設、運営、保守に携わる。この鉄道網は、同国のリン鉱山とカリ鉱山、ヨルダンの主要港であるアカバ港を結ぶ。

• 米国通商代表部は、中国からの輸入品に対する第301条関税の引き上げを発表した。これはHTSUSの14の製品カテゴリーにわたる382の国内細分に影響を与える。主な変更点には、バッテリー部品、電気自動車、フェイスマスク、半導体などの品目に対する関税引き上げが含まれ、9月27日から適用される。一部の太陽光発電製造設備には適用除外が認められ、医療用手袋と注射器には新たな適用時期と関税率が適用される。USTRは、国内製造に使用される特定の機械を対象に、一時的な適用除外を要請するための手続きを発表する予定である。
• バイデン政権は、800ドル以下の輸入品の免税を認めるデ・ミニミス（非課税基準額）の乱用を抑制するための措置を発表した。こうした貨物の多くは中国からのもので、一部は米国の法律をかいくぐって出荷されている。計画されている措置としては、関税対象となる輸入品向けの新規則、追加の貨物データの提出要請、コンプライアンス証明書の義務付けなどが含まれる。また米国議会に対し、繊維などの特定のデリケートな製品を除外し、2024年末までにこれらの新しい規則を成文化する改革案を可決するよう求めている。
• 9月19日より、米国農務省（USDA）の国際有機プログラム（NOP）は、すべてのオーガニック製品を対象にNOP輸入証明書を要求する規則を厳格に施行する。輸入業者と輸出業者の双方がUSDA認証を受ける必要があり、通関業者はPGA（政府機関）メッセージセットに認証番号を入力しなければならない。証明書が利用できない場合、「999」コードは認められなくなる。輸入証明書がなければ、オーガニックとラベル付けされた製品はラベルを貼り替えるか、輸出しなければならない。再調整が必要な貨物については、USDAはコードを提供し、CSMSメッセージを通じてさらなるガイダンスを提供する予定である。