ICS2リリース3とは
輸入管理システム2(ICS2)リリース3は、欧州連合(EU)の第3段階の新たな到着前安全・セキュリティシステムです。アップグレードされたこのITシステムは、EUに入るあらゆる商品のデータを、到着前に収集するために構築されました。ICS2の目的は、税関の安全性とセキュリティを確保するための新たな対策に従い、ひとつの欧州市場とその市民の保護を強化し、グローバルなビジネスモデルに適応したデータ主導型の税関セキュリティプロセスの改善を通じて、自由な交易フローを促進することにあります。
最終仕向地がEU域外でも、EU域内を経由するすべての貨物にはICS2が必要です(たとえば、EU域内を経由するアジアから英国への貨物など)。
EUのICS2リリース3に含まれるもの
ICS2リリース3は2024年6月3日に発効し、海上および内陸水路、道路、鉄道を使用してEUに輸入を行う者に、完全な事前略式申告(ENS)を通じて到着前にコマーシャルインボイスおよび/または出荷の詳細な物品説明に記載された各商品行について6桁の統一システム(HS)コードの提供を求める、新たなプロセスが導入されます。
HSコードが複数存在する場合は、それぞれの品目の正味重量も必要です。貨物の受取人/荷受人のEORI(事業者登録識別番号)も必要です。
貿易業者は、遅延や法令不遵守のリスクが生じないよう、リリース3に対する準備を事前に行うことが強く推奨されます。
来るUCS2リリース3にどのように備えるか
お客様が、独自の輸送手段またはUPS® Forwarding HubをはじめとするUPSの配送システムを利用するかにかかわらず、EU向けまたはEUを経由する貨物の手配をUPS Supply Chain Solutionsに委託される場合には以下の情報が必要です。
- 荷送人の氏名
- 荷送人の住所
- 荷受人の氏名
- 荷受人の住所
- パッケージの個数
- 総重量
- 許容される品目の説明(EUのガイドライン全文を参照)
- 6桁のHS(統一システム)コード。貨物に複数のHSコードが関係する場合は、それぞれの正味重量も含める*。
- EU27か国の場合、荷受人のEORI番号(EUのガイドラインを参照)
UPS Supply Chain Solutions以外の配送システムをご利用の場合は、最寄りの税関に必要な情報を直接提供する方法を選択することも可能です。
ICS2のデータ報告要件を満たす十分なデータをご提供いただけない場合、UPS SCSは商業的に合理的な範囲でお客様に連絡する努力をいたします。荷送人から回答が得られなければ、すべての要件が満たされるまで貨物は発送元で保留されます。
商業的価値のない書簡、通信文書、その他の文書の発送は、この要件から除外されます。HSコードの詳細は、UPSの「輸入者向けHTSコードガイド」をご覧ください。
EUのICS2リリース1および2に含まれていたもの
ICS2リリース1は2021年3月15日に発効しました。このリリースでは、空路でEUに到着する、またはEUを通過する郵便および速達混載貨物で、EU行きの航空機への積み込みの前に、簡易通関(積み込み前事前貨物情報(PLACI)とも呼ばれます)の記入が必要でした。
2023年3月1日に発効したICS2リリース2では、航空貨物一般混載で、EU27か国ならびにノルウェー、スイス、北アイルランドに到着する前に(発地にかかわらず)PLACIフォームおよび略式申告(ENS)の完全なデータセットを記入する必要がありました。